秋彩の平林寺
埼玉県・新座市(にいざし)
●撮影日時:2008年11月27日午後1時  ●天候:雨

落ち着いた寺の雰囲気を描写するため曇り日を選んだつもりが、到着時には雨が降り出してしまいました。雑木林に囲まれた広大な寺域は紅葉の盛りを迎え、真っ赤に色付いた楓は秋雨に濡れて鮮やかさを増しています。
竹林のある一画には深紅の楓が枝を広げ、竹のグリーンとのコントラストが美しく映えていました。細い小道からの撮影は、引きがないため超広角レンズで見上げて写すことになります。レンズにかかる水滴に注意しながら縦位置に構図をとり、すっと伸びた竹と楓の色の配分を考えて撮影位置を決めました。画面内にいろいろな色が入らないよう注意し、シンプルな色彩ですっきりとまとめることがポイントです。
キヤノンEOS-1Ds MarkIII/EF17-40mmF4L USM/f11AE(-1EV)/ISO200/WB太陽光/ピクチャースタイル:スタンダード/RAW/CPL/三脚
●撮影ポイントの様子

●撮影地について
平林寺は関東地方で名高い古刹として知られ、江戸時代前期に野火止(のびとめ)台地に移されてきました。禅寺らしく厳かな雰囲気が漂い、境内は多くの木々が植栽され四季折々に楽しむことができます。なかでも秋の紅葉時は素晴らしく、萱葺きの切妻造りの総門から山門までの参道は、鮮やかに彩られたカエデの並木が続いて目を惹きます。
建造物を取り囲むように広がる雑木林は国の天然記念物に指定され、武蔵野の面影が色濃く残されています。アオゲラやカケスなどの野鳥も多く生息し、林はアカマツやコナラ、クヌギが生い茂り、この時期、落ち葉で敷きつめられた風景に変わります。
撮影地情報
一口メモ
武蔵野のおもむきを残す平林寺の境内には、野火止用水が流れています。江戸時代初期(1655年)川越藩主松平伊豆守信綱は、野火止台地の開発として生活用水を確保するため、玉川上水から分水して開削しました。周辺は現在、史跡として保存され、流れに沿って散策路が設けられています。東京からわずかの距離でありながら、田畑や雑木林などが残る景色は心を和ませてくれるでしょう。
斎藤 友覧の日本の風景  −詳細撮影地ガイドシリーズ−
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斎藤 友覧(さいとう ともみ)
1941年東京生まれ。
会社経営の後、写真家に転向し写真事務所「フォトワーク遊」を設立。
1980年頃から主に日本全国の風景を写している。
現在日本カメラ社「写真の教室」で撮影地ガイドを連載中。
写真クラブ「ふぉとくらぶ遊」を主宰し、定期的に撮影会や講評会などを行っている。
日本写真作家協会会員、日本風景写真家協会会員

<連絡先>フォトワーク遊 Tel : 03-3988-0450
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